マサブク ~masaki books~

理系大学院生がおすすめのミステリ小説を中心に紹介していく雑記ブログ

「笑わない数学者」 -森博嗣- 【消えたオリオン像と殺人事件、絡み合う二つの謎】あらすじ&感想

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こんにちは、マサキです

 

今回ご紹介する小説は森博嗣の「笑わない数学者」

 

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森博嗣の人気シリーズ「S&Mシリーズ」第三作

理系ミステリが得意な森博嗣ですが今作も素晴らしい小説でした!

 

今作をより楽しむには前二作を読んでおくといいと思いますが、直接的な関係はないのでこの作品からでも十分楽しめると思います

 

この作品のオススメ度 A

 

それではさっそくまいりましょう!

 

 

 

 

あらすじ

 

クリスマスイブの夜、ある館にそびえたつオリオン像という銅像が姿を消す。像があった場所には木も植物も傾斜も起伏も何もない。ただ突然といなくなったのだ

 

祖父が用意したオリオン像消失の衝撃は、いつまでも彼女の心から離れなかった

 

 

N大学助教授・犀川創平は昔ながらの付き合いである西之園萌絵から、三ツ星館にいる天才数学者・天王寺翔蔵博士がオリオン像を消したという事実を知る

 

その真偽を確かめるべく、犀川と萌絵は三ツ星館へと出向く。そこには天王寺家と片山家の人間が集まり例年のようにクリスマスパーティーが行われていた

 

三ツ星館の中にあるプラネタリウムで会した一同は天王寺翔蔵に再びオリオン像を消してくれと頼む

 

しぶしぶその頼みを受け入れた天王寺博士は「10分だけ時間をやるから見てきたまえ」とただそれだけを言い放った

 

全員がホールから外へ出て、オリオン像があるべき場所に到着したが、そこは一面のコンクリート

 

そう、再びオリオン像が消えてしまったのだ

 

驚愕する一同、しかし確かにオリオン像は姿を消した。天王寺博士はこの謎を解いたものに天王寺家の財産をすべて与えるといい、その場にいた全員に「明日の朝までこの建物を出てはならない、問題は思考によって解決したまえ」と言い残した

 

犀川と萌絵はこの謎を解こうとするが、この場にいた全員がこの時、ある殺人計画がすでに実行されていたことを知らなかった

 

そして夜が明け、無残な死体が発見される

 

オリオン像と殺人事件、この二つの謎が複雑に絡み合う

犀川と萌絵の師弟コンビはこの謎を解くことができるか?

 

「人類の文明は僅かに数千年だ。史上最大のトリックとは何かな?」

博士の問いに、誰も答えない。

「これで、今夜はお別れだ。また、明晩、会おう」スピーカから声が響く。

人類史上最大のトリック……?

(それは、人々に神がいると信じさせたことだ)

と犀川は思った。

「笑わない数学者」p.86

 

 

感想

不可解な殺人事件

 

 今作も森博嗣ミステリの例にもれず、不可解な状況で殺人が起こる

なぜ、だれが、どうやって犯罪を犯したのか

とても推理しがいのある作品なので注意深く読めば必ず犯人にたどり着くはず!

 

犯人への糸口が文中に散りばめられているので、推理力に自信がある方はぜひ犯人をあててみてください!

 

ちなみに僕はわかりませんでした……

 

消えたオリオン像の謎

この作品でもう一つの重要な謎が、消えたオリオン像

 

すべて読んでから冒頭のこのオリオン像が消えたシーンの描写などを読み返すと確かにヒントがちりばめられていました、さすが森博嗣……

 

このぶっ飛びトリックを読んだときはまさに唖然、そしてこのオリオン像が殺人事件と密接にかかわりあっています

 

是非考察しながら読んでみてください!

 

天王寺博士という人物

今作に登場する天王寺博士、僕はかなり好きなキャラクターで理屈だらけのおじいさんという感じです

 

事件発生前の天王寺博士からの数学の出題があり

「10が二つ、4が二つある。どんな順番でも良いから、これらを全部使って、足したり、引いたり、掛けたり、割ったりして、答えを24にしたまえ」

「笑わない数学者」p.72

 このような問いが文中で多く出てきます

 

考えているうちに犀川や萌絵が説いていくのですが、僕はこの問題がかなり好きでそこで読むのをやめて自分で解いたりして楽しんでました笑(ちなみに全然解けなかった…

 

また、定義とは何か、をとことん詰めてくるキャラクターなので萌絵との問答は読んでいて面白かったです笑

 

「博士がここに籠もっていらっしゃる理由は何ですか?」萌絵がまたきいた。

「これは、君たちの言葉でいえば防衛だが、私の言葉では侵略だ。人間の最も弱い部分とは、他人の干渉を受けたいという感情だ。自己以外に自己の存在を求めることが、人間の本能としての幻想だ。この起源は、おそらく、単細胞の生物に遡るものだろう」

「笑わない数学者」p.218

 

エピローグ

僕はこの作品のエピローグがとても好きで、最後のシーンは余韻もさることながら、森博嗣節がきいていて読後感がたまらん…

 

是非最後まで読んでみてください!

 

まとめ

 今作は「S&Mシリーズ」の中でもあまり知名度のない作品ですが、度肝を抜くトリックと魅力的なキャラクターが織りなす物語は目立たないながらもかなりおすすめしたい作品です!

 

ぜひ読んでみてください!

 

今回は「笑わない数学者」 -森博嗣- を紹介させていただきました!

 

それではみなさまよいミステリ小説ライフを!